太陽*3の小説「野望戦隊ラムズマン2」
その16「透子が真実を告げた日」2/2 2008/10/28 22:21
太陽*3さん (27) の投稿
「ゆかりと本選で戦いたかったから」
「ゆかりと?」
「いいじゃない、手間が省けて。お金を渡したのは本選に残らせるまでって約束だったから、実力がなかったらそこで終わるんだし。こなみちゃんもアイドルになるのが夢だって言ってたから、その一歩手前までの手助けをしただけだよ。こなみちゃんも友達だし、一緒に残ったら嬉しいでしょ?」
全然悪いことをしたという意識がないように見える透子に、ゆかりは腹が立った。
「友達? もうこなみちゃんは透子の友達じゃないよ! あんなことしておいて、よく友達なんて言えるわね! 相手の気持ちも考えないで、無神経だよ!」
「・・・・」
「どうしてゆかりと戦いたかったの? そう言えばこの前、ゆかりに勝ちたいって言ってた。どうして? 透子、何から何までゆかりに勝ってるじゃない。今更、何に勝つつもり? これ以上、透子は何を望むって言うの?」
透子はその問いに答えず、ブランコに腰を下ろした。きいきい、とブランコの鎖の軋む音が暗い公園に響く。
「あたしね、魔法の力を授かってから、色々なお友達ができたんだよ」
ゆかりもとこたんの隣のブランコに座った。
「好きなもの、欲しいもの。みんなあたしが出してあげて、すっごく喜んでた。みんな、あたしの周りに寄ってきたんだ。『透子、透子』『とこたん、とこたん』って。でもね」
とこたんのブランコが止まった。
「魔法がなかったら、誰も私に話し掛けてもくれないんだって、気付いちゃった」
「・・・・」
「相楽君だってそう。あたしね、ゆかりに彼氏がいるのが羨ましくて、ちょっとした悪戯のつもりで彼に『付きあってみない?』って言ったら、OKされちゃって。でもゆかりに勝ったって思って、ちょっと嬉しかったんだ。本当は彼のこと、好きとか好きじゃないとか、そんなこと考えたこともなかった」
再びとこたんのブランコが前後に揺れ出した。
「ゆかり、知ってる? ゆかりは小学校の時からずっとあたしと友達でいてくれたけど、あたしね、友達はゆかりしかいなかったんだよ」
「え・・・・」
「男の人にはモテたけど、女の子の友達はいなかった。男の子も『付き合って下さい』ってのは何度もあったけど、友達と呼べる人はいなかった。あたし、友達が欲しくて。リチャードから魔法の肩叩きを貰って、魔法を使って色々出してあげたら友達がたくさんできたよ。でもそれは、あたしを好きなんじゃなくて、あたしの出すものが好きなだけだった」
「嘘だよ、だって透子って、とっても人当たりが良くて、誰とでも気軽に話してたじゃない」
「人当たりだけは良かったんだね、八方美人っていうのかな。あたし本当は凄く人見知りで『この場だけ』って思ったら気軽に話せるんだけど、一歩踏み込むと駄目なの。何も話せなくて、だから友達と呼べるまでは親しくなれなかった。でもゆかりだけは気軽に話せたんだよ。ゆかりは思ってることを隠さずに言葉にできて、凄く羨ましかった」
「あのね、透子・・・・」
「こなみちゃんももう友達じゃないんだよね。タカシ君だって、きっとそうだよね。軽蔑したかな、魔法で出したプレゼントで気を引こうなんてしたから」
ゆかりはとこたんがタカシ君に「また出してあげる」と言った時に「もういらない」という答えを聞いた時の彼女の淋しげな表情を思い出した。
「ゆかりんがいたから、あの二人とも気軽に話せたんだ。あたし、ゆかりに勝ちたかった。ううん、勝たなくていい、一緒でいい。ゆかりと同じくらい、お友達が欲しかったの。アイドルになったら、みんなあたしの方を向いてくれるかなって。みんながあたしの名前を呼んでくれるのかなって・・・・」
とこたんはブランコから降りると、ゆかりに背を向けた。
「でもあたし、馬鹿だよね。ゆかりんにまで嫌われちゃった」
とこたんの声が震えた。
「馬鹿だね、あたし・・・・たった一人の友達まで、なくしちゃった・・・・」
「透子、待って!」
背を向けたまま走り出す透子を追って、ゆかりも駆け出した。
「待ってよ、透子! あっ・・・・」
ゆかりはブランコを降りた拍子に脚を滑らせ、思い切り膝を打ってしまった。
(痛い・・・・)
透子の姿が、どんどん遠ざかっていった。
「ゆかりと?」
「いいじゃない、手間が省けて。お金を渡したのは本選に残らせるまでって約束だったから、実力がなかったらそこで終わるんだし。こなみちゃんもアイドルになるのが夢だって言ってたから、その一歩手前までの手助けをしただけだよ。こなみちゃんも友達だし、一緒に残ったら嬉しいでしょ?」
全然悪いことをしたという意識がないように見える透子に、ゆかりは腹が立った。
「友達? もうこなみちゃんは透子の友達じゃないよ! あんなことしておいて、よく友達なんて言えるわね! 相手の気持ちも考えないで、無神経だよ!」
「・・・・」
「どうしてゆかりと戦いたかったの? そう言えばこの前、ゆかりに勝ちたいって言ってた。どうして? 透子、何から何までゆかりに勝ってるじゃない。今更、何に勝つつもり? これ以上、透子は何を望むって言うの?」
透子はその問いに答えず、ブランコに腰を下ろした。きいきい、とブランコの鎖の軋む音が暗い公園に響く。
「あたしね、魔法の力を授かってから、色々なお友達ができたんだよ」
ゆかりもとこたんの隣のブランコに座った。
「好きなもの、欲しいもの。みんなあたしが出してあげて、すっごく喜んでた。みんな、あたしの周りに寄ってきたんだ。『透子、透子』『とこたん、とこたん』って。でもね」
とこたんのブランコが止まった。
「魔法がなかったら、誰も私に話し掛けてもくれないんだって、気付いちゃった」
「・・・・」
「相楽君だってそう。あたしね、ゆかりに彼氏がいるのが羨ましくて、ちょっとした悪戯のつもりで彼に『付きあってみない?』って言ったら、OKされちゃって。でもゆかりに勝ったって思って、ちょっと嬉しかったんだ。本当は彼のこと、好きとか好きじゃないとか、そんなこと考えたこともなかった」
再びとこたんのブランコが前後に揺れ出した。
「ゆかり、知ってる? ゆかりは小学校の時からずっとあたしと友達でいてくれたけど、あたしね、友達はゆかりしかいなかったんだよ」
「え・・・・」
「男の人にはモテたけど、女の子の友達はいなかった。男の子も『付き合って下さい』ってのは何度もあったけど、友達と呼べる人はいなかった。あたし、友達が欲しくて。リチャードから魔法の肩叩きを貰って、魔法を使って色々出してあげたら友達がたくさんできたよ。でもそれは、あたしを好きなんじゃなくて、あたしの出すものが好きなだけだった」
「嘘だよ、だって透子って、とっても人当たりが良くて、誰とでも気軽に話してたじゃない」
「人当たりだけは良かったんだね、八方美人っていうのかな。あたし本当は凄く人見知りで『この場だけ』って思ったら気軽に話せるんだけど、一歩踏み込むと駄目なの。何も話せなくて、だから友達と呼べるまでは親しくなれなかった。でもゆかりだけは気軽に話せたんだよ。ゆかりは思ってることを隠さずに言葉にできて、凄く羨ましかった」
「あのね、透子・・・・」
「こなみちゃんももう友達じゃないんだよね。タカシ君だって、きっとそうだよね。軽蔑したかな、魔法で出したプレゼントで気を引こうなんてしたから」
ゆかりはとこたんがタカシ君に「また出してあげる」と言った時に「もういらない」という答えを聞いた時の彼女の淋しげな表情を思い出した。
「ゆかりんがいたから、あの二人とも気軽に話せたんだ。あたし、ゆかりに勝ちたかった。ううん、勝たなくていい、一緒でいい。ゆかりと同じくらい、お友達が欲しかったの。アイドルになったら、みんなあたしの方を向いてくれるかなって。みんながあたしの名前を呼んでくれるのかなって・・・・」
とこたんはブランコから降りると、ゆかりに背を向けた。
「でもあたし、馬鹿だよね。ゆかりんにまで嫌われちゃった」
とこたんの声が震えた。
「馬鹿だね、あたし・・・・たった一人の友達まで、なくしちゃった・・・・」
「透子、待って!」
背を向けたまま走り出す透子を追って、ゆかりも駆け出した。
「待ってよ、透子! あっ・・・・」
ゆかりはブランコを降りた拍子に脚を滑らせ、思い切り膝を打ってしまった。
(痛い・・・・)
透子の姿が、どんどん遠ざかっていった。
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