太陽*3の小説「野望戦隊ラムズマン2」

その16「透子が真実を告げた日」1/2 2008/10/27 22:14

太陽*3さん (27) の投稿
太陽*3さん
 0時を過ぎたのに、街はまだ人が多く、活気があった。
(でもゆかりはこのまま歩いていると、きっと補導されちゃうよね。どこか泊まれる所を探さなきゃ)
 透子の所? 彼女の家ならきっと泊めてくれるだろうし、チェック君の話ではゆかりを捜してくれてるみたいだったし・・・・。
 でも透子、ユタカに振られたんだ。ユタカはゆかりとやり直すって透子に言ったのかな。だとしたら、透子はゆかりのことをどう思うんだろう。
(それに、こなみちゃんの件ではゆかりは透子を許せない。そんな透子の家に泊めて、なんて行けないよ)
(あれ? あれは・・・・お父さん!?)
 繁華街から少し脇道に入った所で、岩之助の姿が見えた。こんな時間なのに。そう言えば、電話を入れておこうと思ってたのに、ユタカの留守電を聞いていて忘れていた。
(昔から、ゆかりの帰りがちょっとでも遅くなったら大騒ぎしてたっけ。何時に帰るんだとか、遅くなるんだったら電話しろだとか、予定なんて急に変わるものなんだから分かんないよ、って鬱陶しく思ってたっけ)
(でもお父さんは、お母さんが死んでからずっとゆかりを一人で育ててくれてたんだよね。ゆかりは女の子なんだから、心配するのは当たり前だよね。なのに、鬱陶しいだなんて)
(心配させてごめんね、お父さん。ごめんね・・・・)
 ゆかりはお父さんに見付からないようにその場を離れた。そして、誰もいない家に電話をして、留守電に「しばらく帰らない」というような伝言を入れた。しばらくなんて、誤魔化しだ。本当は、ずっと帰れないのに。
(ゆかり、お父さんのことや周りの人のことを考えずに、とんでもないことをしちゃったのかもしれない。心配する人だっているのに、自分勝手に「大人になんて戻りたくない」ってわがままを言って)
(馬鹿だ。ゆかりは馬鹿だ。ばか、ばか、ばか、ばか・・・・)
「ゆかり?」
「・・・・あ」
 ゆかりの目の前に、とこたんの姿の透子が立っていた。
「ここじゃないかなって思って」
 ゆかりは透子に言われて初めて気が付いたが、ここはいつもの公園だった。考え事をしている内に、いつもの遊び場所に来ていたらしい。
「透子、本当なの? オーディションの審査員にお金を渡したって」
 開口一番、ゆかりは透子にどうしても聞きたいことを質問した。信じたくないという気持ちが心の中にあった。
「・・・・ばれちゃったのか」
「ばれちゃったじゃないでしょ! こなみちゃん、すっごく傷ついたんだよ! ゆかりだって! こなみちゃんは一生懸命やったのに、透子のおかげで自分がズルをしたっていう気になって、すっごく悲しそうだったよ!」
「・・・・」
「どうしてあんなことしたの!? 哀れみ? ゆかりたちが、あんたみたいに歌が上手くないから? ダンスが下手だから? 可愛くないから? 裏工作しないと受からないって思ったの!?」
 透子は一瞬、悲しそうな顔をしたが、気を取り直したようにゆかりに向き合った。

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