太陽*3の小説「野望戦隊ラムズマン2」

ぷにその15「大人に戻れなくなった日」3/3 2008/10/26 09:16

太陽*3さん (27) の投稿
太陽*3さん
 今夜はどこに泊まろう。友達の家って言っても、この姿じゃ誰も信用してくれないし。こなみちゃんの家はお父さんに連絡されちゃうし、この姿での友達って、あとはタカシ君だけだし、彼の家は知らないし。
 透子の家なんて行けないよ、ユタカとのこともあるし、こなみちゃんの件もある。どんな顔して泊まりに行けばいいのよ。
 お金は、ある。でもホテルなんて子供だけじゃ泊めてくれないよね。
 ・・・・おなかすいた。
 そうだ、ショートカットだ。確かハンバーグでハンバーガーが出たんだよね。
「みにみに・・・・」
 握り締めた「魔法の孫の手」は、心なしか冷たかった。
 ・・・・そうか。もう魔法、使えないんだ。
 コンビニでもいいや、何か食べようっと。
「おいっ!」
「きゃっ!」
 いきなり声を掛けられ、ゆかりは心臓が飛び上がるほど驚いた。
「お前、ゆかりんだな!」
「君は・・・・」
 とこたんと一緒にいたウサギ。ミズタマの仲間だ。
「どうしてこんな所にいるの?」
「お前を捜してたんだ! エリックからお前が行方不明だと連絡があってな! 透子も捜してるぞ」
「エリック?」
「お前のところにいる俺のライバルだ!」
(・・・・あぁ、ミズタマのことか。彼の本名なんて覚えてないや。・・・・透子もゆかりを捜してる? こんな時間に?)
「そんな格好で何をやってる・・・・お、おい、それは!?」
 ゆかりが持っていた魔法の孫の手を見て、ウサギが叫んだ。
「おい! 何てことしてんだ!? 死んでるじゃないか! その格好のまま魔法が使えなくなったってことは・・・・元に戻れないじゃないか! 何てこった! おい、一緒に来い!」
「放っといてよっ」
「そうはいくか。無理にでも連れて行くぞ!」
 ウサギがゆかりのスカートの裾をつまんで、引っ張った。
「きゃっ、エッチ!」
「あ、す、すまん」
 ゆかりはウサギがひるんだ隙に、彼の首に巻かれているバンダナを引っ張り、近くにあった金網のフェンスにくくり付けた。
「あ、こら、何をするか!」
 ジタバタするウサギにゆかりは手を振った。
「じゃあね、チェック君」
「誰がチェックだ!?」
「君のバンダナ、チェック柄だから」
「私はリチャード・フォン・ヒューデリック・ラビリーヌ! そんな適当な名前ではないぞ!」
「長くて覚えられないよ!」
「せめて透子みたいに『リチャード』と呼んでくれ!」
 チェック君の声が遠ざかっていく。
(はぁ、どうして逃げてるんだろう、ゆかり。色んなものから、逃げてばっかりだ)

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