太陽*3の小説「野望戦隊ラムズマン2」

ぷにその14「大人の世界を知った日」2/3 2008/10/22 22:33

太陽*3さん (27) の投稿
太陽*3さん
「あはは・・・・」
 当然、こなみにも話は聞こえていた。
「そうなんだ。やっぱりさ、私が本選に行けるなんて、おかしいと思ってたんだ。身のほど知らずってやつだよね。馬鹿みたい、喜んじゃって。馬鹿みたい、お父さんやお母さんやお姉ちゃんに嘘付いてまでオーディション受けて。受かって、やっぱり私の努力が実ったんだって思って。これでみんなに認めて貰えるかもって思って。馬鹿・・・・」
「こなみちゃん!?」
 こなみは急に席を立ち、駆け出した。後を追おうとしたゆかりはテーブルを蹴り上げ、ジュースが倒れてポテトが散乱した。
「あ」
 立ち上がった時、ついたての向こうの面々と目が合った。
「お前は、夢野・・・・」
「さっきのは芳井こなみ・・・・聞いたのか? さっきの話!」
「あわわ、何も聞いてません!」
 ダッシュ!
「待て!」
 転びそうになりながら階段を駆け下りたゆかりは、また全力疾走するはめになった。
「待て!」
「逃がすな!」
 ミサちゃんとは違い、確実にゆかりとの間を詰めてくるおじさん二人。
(怖いよ、捕まったら、秘密を知ったゆかりは消されちゃうの!?)
 逃げ切れないと思ったゆかりは、魔法の孫の手を取り出した。こんな場合ですら呪文を唱えるゆかりは、魔女っ子の鑑だと思う。
「みにみにすか~と、ふりふりふりる! ぱんちらた~んで、はぁとをげっと! おいでませ、え~っと、でっかい壁!」
(とにかく、追って来れないような障害物が欲しい!)
 ボゥゥン。
 亀。しかも、全然でっかくない。
 邪魔者にすらならなかった。
「馬鹿馬鹿、捕まっちゃうじゃな~い! そだ、ショートカット!」
(え~っと、今まで出した中で大きいもの! 三輪車? タイヤ? えっと、何て唱えたんだっけ?)
「そだ、おいでませ、ダイヤちゃ~ん!」
 ボゥン、タイヤが降ってきた。
「うおっ、何だぁ? 空からタイヤが・・・・!」
「おいでませ、自転車ちゃ~ん!」
 ガッシャ~ン!
「危ねぇ、今度は三輪車だぜ!? 誰だ、畜生!」
 ゆかりは狭い路地に入り、間髪入れずにタイヤ、三輪車、ワイヤーなんかを追っ手に向かって出し続けた。

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