太陽*3の小説「野望戦隊ラムズマン2」
ぷにその14「大人の世界を知った日」1/3 2008/10/22 00:39
太陽*3さん (27) の投稿
「はぁ、はぁ・・・・」
力尽きたゆかりたちは、コンビニの前に倒れ込んだ。ゆかりが掴んでいたこなみちゃんの腕が赤くなっている。
「ごめ、んね、こなみちゃん、痛かっ、た?」
「ううん、だい、じょうぶ・・・・」
バクバクの心臓とカラカラの喉で話すことさえ困難だったゆかりたちは、近くのファーストフード店に入ることにした。店内は夕方だったこともあり、クラブ帰りらしき女子高生や軽めの夕食をとっている家族連れ、カップルで大賑わいだった。そんな中、何とか二人席を確保したゆかりたちは、うるさくて一息つけない状況だったが、とりあえず腰を下ろした。
「はぁ・・・・」
「ふぅ・・・・」
炭酸飲料を飲み、お互いにため息をつくゆかりとこなみ。
「ごめんね、私のために逃げてくれて」
「ううん、それはいいんだけど・・・・」
(本当はミサちゃんに勘ぐられるのが怖くてゆかりが逃げ出したかったんだよね。大丈夫かなぁ、まさかゆかりんがゆかりだって分かっちゃったなんてこと、ないよね?)
「もう、駄目なのかなぁ」
今にも泣きそうな顔のこなみ。会場を出る時の表情とは大違いで、こんな顔にしたミサちゃんがちょっと憎らしかった。
(そりゃ、彼女の言ってることは分かるよ。ゆかりだって本当は大人なんだし、こなみちゃんを心配するおじさんやおばさんの気持ちは凄く分かる)
(合格したのに。頑張って頑張って合格したのに。お祝いしたかったのに。こなみちゃんの笑顔をもっともっと見たかったのに)
(こなみちゃんのこんな顔、見たくなかったよ・・・・)
「ここが空いている、さぁさぁ」
それまでキャアキャアと女の子の声ばかり聞こえていた店内で、いきなりおじさんの声がして何だか妙な気がした。おじさんとその一行は、ついたてを挟んで向こうのテーブルについたらしい。何となく場違いだったのでどんなメンバーなのか興味はあったが、お互いの顔はついたての上から覗き込まないと見えない。そんなことより、こなみちゃんのことだ、とゆかりは考えていた。
(これからどうするか考えなきゃ・・・・)
「ねぇねぇ国栖(くず)さん、この調子で本選もお願いね」
(え、この声・・・・聞いたことあるような。しかも国栖さんって・・・・)
「誰を合格させるかなんて、プロデューサーである国栖さんの自由なんでしょ」
(プロデューサーの国栖? って、今日ゆかりたちが受けたオーディションの?)
「おいおい、やめてくれよ南ちゃん。俺はそんな八百長はしないぜ」
「わ、よく言いますねぇ、この南の前で!」
「本選は別だよ。売れる見込みの無い子を合格させちゃったら、僕だって困るもの。面倒見切れないしね。誰かとくっつけてテレビに出すとか、苦労するんだよ。この子を出してくれないとナゴン出さないよ、って感じでね。新曲を出す間隔だって、明らかに売れてる子との差が激しいと妬まれるしね」
「あ~、それじゃあ南が売れないってことですかぁ」
「だから、実力で優勝しなって。応援するから」
「ね、お金? お金でしょ、いくら払えばいいの?」
「まいったなぁ、そんなことしないよ」
「嘘だぁ、審査員のおじさんだって、お金貰ったって聞いたよ」
「しっ、聞かれたらどうするの」
「大丈夫だよ、ほら、こんなにうるさいから。誰だったっけ、有名なお金持ちの家。トードーインだっけ? そこの娘が、何人か合格させてくれってお金、渡したって」
「おいおい、マジやばいって」
もう一人のおじさんが口を開いた。
「綾小路、夢野、芳井だったな。藤堂院のお嬢様とどういう関係なのか知らないけど。でも綾小路って子は実力でも合格したかもしれないのにな。可愛かったぜ」
「あとの二人はまぁ可愛いけど、歌も踊りも平凡かな」
「形は完成されてる。でも、何かパンチがないんだよな」
「うおっ、これは! ていう何か」
「国栖さん、得意じゃないですか。『この子には大きな潜在能力を感じる』ってやつ」
「その言葉で何人か合格させてますよね、審査員の中では評価の低い子を」
「馬鹿言え。俺はちゃんとそう思ったから言ってるだけだ。それを証拠に、みんな人気アイドルになってるじゃないか。南ちゃんみたいに『南を好きにして~』って言われたわけじゃないぞ」
「おいおい、それこそ聞かれちゃマズいって!」
(透子が?)
(何の話なの?)
(嘘・・・・だよね?)
力尽きたゆかりたちは、コンビニの前に倒れ込んだ。ゆかりが掴んでいたこなみちゃんの腕が赤くなっている。
「ごめ、んね、こなみちゃん、痛かっ、た?」
「ううん、だい、じょうぶ・・・・」
バクバクの心臓とカラカラの喉で話すことさえ困難だったゆかりたちは、近くのファーストフード店に入ることにした。店内は夕方だったこともあり、クラブ帰りらしき女子高生や軽めの夕食をとっている家族連れ、カップルで大賑わいだった。そんな中、何とか二人席を確保したゆかりたちは、うるさくて一息つけない状況だったが、とりあえず腰を下ろした。
「はぁ・・・・」
「ふぅ・・・・」
炭酸飲料を飲み、お互いにため息をつくゆかりとこなみ。
「ごめんね、私のために逃げてくれて」
「ううん、それはいいんだけど・・・・」
(本当はミサちゃんに勘ぐられるのが怖くてゆかりが逃げ出したかったんだよね。大丈夫かなぁ、まさかゆかりんがゆかりだって分かっちゃったなんてこと、ないよね?)
「もう、駄目なのかなぁ」
今にも泣きそうな顔のこなみ。会場を出る時の表情とは大違いで、こんな顔にしたミサちゃんがちょっと憎らしかった。
(そりゃ、彼女の言ってることは分かるよ。ゆかりだって本当は大人なんだし、こなみちゃんを心配するおじさんやおばさんの気持ちは凄く分かる)
(合格したのに。頑張って頑張って合格したのに。お祝いしたかったのに。こなみちゃんの笑顔をもっともっと見たかったのに)
(こなみちゃんのこんな顔、見たくなかったよ・・・・)
「ここが空いている、さぁさぁ」
それまでキャアキャアと女の子の声ばかり聞こえていた店内で、いきなりおじさんの声がして何だか妙な気がした。おじさんとその一行は、ついたてを挟んで向こうのテーブルについたらしい。何となく場違いだったのでどんなメンバーなのか興味はあったが、お互いの顔はついたての上から覗き込まないと見えない。そんなことより、こなみちゃんのことだ、とゆかりは考えていた。
(これからどうするか考えなきゃ・・・・)
「ねぇねぇ国栖(くず)さん、この調子で本選もお願いね」
(え、この声・・・・聞いたことあるような。しかも国栖さんって・・・・)
「誰を合格させるかなんて、プロデューサーである国栖さんの自由なんでしょ」
(プロデューサーの国栖? って、今日ゆかりたちが受けたオーディションの?)
「おいおい、やめてくれよ南ちゃん。俺はそんな八百長はしないぜ」
「わ、よく言いますねぇ、この南の前で!」
「本選は別だよ。売れる見込みの無い子を合格させちゃったら、僕だって困るもの。面倒見切れないしね。誰かとくっつけてテレビに出すとか、苦労するんだよ。この子を出してくれないとナゴン出さないよ、って感じでね。新曲を出す間隔だって、明らかに売れてる子との差が激しいと妬まれるしね」
「あ~、それじゃあ南が売れないってことですかぁ」
「だから、実力で優勝しなって。応援するから」
「ね、お金? お金でしょ、いくら払えばいいの?」
「まいったなぁ、そんなことしないよ」
「嘘だぁ、審査員のおじさんだって、お金貰ったって聞いたよ」
「しっ、聞かれたらどうするの」
「大丈夫だよ、ほら、こんなにうるさいから。誰だったっけ、有名なお金持ちの家。トードーインだっけ? そこの娘が、何人か合格させてくれってお金、渡したって」
「おいおい、マジやばいって」
もう一人のおじさんが口を開いた。
「綾小路、夢野、芳井だったな。藤堂院のお嬢様とどういう関係なのか知らないけど。でも綾小路って子は実力でも合格したかもしれないのにな。可愛かったぜ」
「あとの二人はまぁ可愛いけど、歌も踊りも平凡かな」
「形は完成されてる。でも、何かパンチがないんだよな」
「うおっ、これは! ていう何か」
「国栖さん、得意じゃないですか。『この子には大きな潜在能力を感じる』ってやつ」
「その言葉で何人か合格させてますよね、審査員の中では評価の低い子を」
「馬鹿言え。俺はちゃんとそう思ったから言ってるだけだ。それを証拠に、みんな人気アイドルになってるじゃないか。南ちゃんみたいに『南を好きにして~』って言われたわけじゃないぞ」
「おいおい、それこそ聞かれちゃマズいって!」
(透子が?)
(何の話なの?)
(嘘・・・・だよね?)
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