太陽*3の小説「野望戦隊ラムズマン2」
ぷにその13「審査に合格しちゃった日」2/3 2008/10/19 04:41
太陽*3さん (27) の投稿
第二次審査、終了。
ゆかりたちは着替えを済ませ、大きな教室のような部屋で審査の結果発表を待っていた。結果は即日、この後に行われるので三十分から一時間、待っているように言われた。もうすぐ最終選考(本選)に残る十名が発表される。
「はぁ~緊張したよ~」
ゆかりは日頃の練習の成果は何とか発揮できたと思う。少しぎこちなくなって、元気さは控えめになった気はするが、失敗はなかった。
(あぁでも、人前で歌ったり踊ったりするのがこんなに緊張するものだったなんて!)
審査員の中には、今回のオーディションを企画した最近売り出し中のプロデューサーさんもいて、顔をよくテレビで見てるだけに余計にドキドキしてしまった。
(実はあのプロデューサー、結構二枚目だったりするけど、こんな子供じゃ相手にされないね)
「こなみちゃん、帰りに何か食べてく?」
審査が終わってから、こなみは思い切り無口だった。その様子から「失敗したの?」とは聞けず、何となく会話がギクシャクする。
こなみちゃんとは対照的に、とこたんはとっても落ち着いていた。
「はぁ、早く発表にならないかな」
片肘をつき、ため息をつくとこたん。
「余裕だね、とこたん」
こなみが小さな声でゆかりに話し掛けてきた。
「当然だよね、あんなに歌もダンスも上手だもん」
「こなみちゃんだって、負けてないよ!」
(なんて、人のことを励ましてる場合じゃない。こなみちゃんが不安だったらゆかりなんかもっと不安で逃げ出したいくらいだよ)
ガチャ、とドアを開ける音が緊張で静まり返った部屋に響き渡った。審査を受けた約百名の女の子みんなが一斉にそちらを向く。
「合格者を発表します。呼ばれた方は前に出て下さい」
何の挨拶もなしに事務的に事を進める係員。今のゆかりの目にはとても冷血な人に映った。
「これから読み上げるのは番号順ではなく、得点の高かった順です」
(ということは、いきなり「五番」と言われて一から四番の人がガックリ、なんてことにはならないんだ。誰にだって、最後まで希望はある)
「まずは九十一番、綾小路とこたん」
「はい」
スっと優雅に席を立つとこたん。まるで呼ばれることが分かっていたかのような態度で、喜びも驚きも感じられなかった。ちなみに「綾小路とこたん」はゆかりの「夢野ゆかりん」と同じくオーディション用にとこたんが作った偽物だけど実在する名前だ。
次々に名前が呼ばれてゆく。四人、五人。ゆかりとこなみの名はまだない。
(やっぱり駄目だったの? ゆかりがアイドルなんて、やっぱり夢だったの? ゆかりはいいから、あんなに頑張ったこなみちゃんは合格させてあげて!)
「十八番、芳井こなみ」
(あっ? こなみちゃん? 呼ばれた?)
こなみは固まっていた。
「こなみちゃん、呼ばれたってば!」
ゆかりがひじで突付くと、初めて気が付いたようにキョロキョロするこなみ。
「は、はひっ!」
見事に声が裏返っていた。
「あいたっ」
立ち上がる際、机で脚をぶつけるこなみ。机が動き、結構な音がした。
「六十六番、夢野ゆかりん」
「えっ? ひゃ、ひゃいっ!」
ゆかりも負けずに声が裏返った。
「いたっ!」
そして、思い切り机の脚を蹴ってしまい、その音が部屋の中に響いた。
ゆかりたちは着替えを済ませ、大きな教室のような部屋で審査の結果発表を待っていた。結果は即日、この後に行われるので三十分から一時間、待っているように言われた。もうすぐ最終選考(本選)に残る十名が発表される。
「はぁ~緊張したよ~」
ゆかりは日頃の練習の成果は何とか発揮できたと思う。少しぎこちなくなって、元気さは控えめになった気はするが、失敗はなかった。
(あぁでも、人前で歌ったり踊ったりするのがこんなに緊張するものだったなんて!)
審査員の中には、今回のオーディションを企画した最近売り出し中のプロデューサーさんもいて、顔をよくテレビで見てるだけに余計にドキドキしてしまった。
(実はあのプロデューサー、結構二枚目だったりするけど、こんな子供じゃ相手にされないね)
「こなみちゃん、帰りに何か食べてく?」
審査が終わってから、こなみは思い切り無口だった。その様子から「失敗したの?」とは聞けず、何となく会話がギクシャクする。
こなみちゃんとは対照的に、とこたんはとっても落ち着いていた。
「はぁ、早く発表にならないかな」
片肘をつき、ため息をつくとこたん。
「余裕だね、とこたん」
こなみが小さな声でゆかりに話し掛けてきた。
「当然だよね、あんなに歌もダンスも上手だもん」
「こなみちゃんだって、負けてないよ!」
(なんて、人のことを励ましてる場合じゃない。こなみちゃんが不安だったらゆかりなんかもっと不安で逃げ出したいくらいだよ)
ガチャ、とドアを開ける音が緊張で静まり返った部屋に響き渡った。審査を受けた約百名の女の子みんなが一斉にそちらを向く。
「合格者を発表します。呼ばれた方は前に出て下さい」
何の挨拶もなしに事務的に事を進める係員。今のゆかりの目にはとても冷血な人に映った。
「これから読み上げるのは番号順ではなく、得点の高かった順です」
(ということは、いきなり「五番」と言われて一から四番の人がガックリ、なんてことにはならないんだ。誰にだって、最後まで希望はある)
「まずは九十一番、綾小路とこたん」
「はい」
スっと優雅に席を立つとこたん。まるで呼ばれることが分かっていたかのような態度で、喜びも驚きも感じられなかった。ちなみに「綾小路とこたん」はゆかりの「夢野ゆかりん」と同じくオーディション用にとこたんが作った偽物だけど実在する名前だ。
次々に名前が呼ばれてゆく。四人、五人。ゆかりとこなみの名はまだない。
(やっぱり駄目だったの? ゆかりがアイドルなんて、やっぱり夢だったの? ゆかりはいいから、あんなに頑張ったこなみちゃんは合格させてあげて!)
「十八番、芳井こなみ」
(あっ? こなみちゃん? 呼ばれた?)
こなみは固まっていた。
「こなみちゃん、呼ばれたってば!」
ゆかりがひじで突付くと、初めて気が付いたようにキョロキョロするこなみ。
「は、はひっ!」
見事に声が裏返っていた。
「あいたっ」
立ち上がる際、机で脚をぶつけるこなみ。机が動き、結構な音がした。
「六十六番、夢野ゆかりん」
「えっ? ひゃ、ひゃいっ!」
ゆかりも負けずに声が裏返った。
「いたっ!」
そして、思い切り机の脚を蹴ってしまい、その音が部屋の中に響いた。
トラックバック (0)
トラックバックは受け付けていません。




コメント (0)
コメント一覧
コメントはまだありません。