太陽*3の小説「野望戦隊ラムズマン」

Rat.11「友情物語だ!ラムズマン」 2008/08/03 11:08

太陽*3さん (16) の投稿
太陽*3さん
 一方、色々な事に疲れた麻々は夜の街を徘徊していた。
(全く・・・・やってられないっての! もうあんな所、戻ってやるもんか)
 久し振りにウィンドウショッピングをすることにした麻々は、足取りも軽く歩道を歩いていた。
(あっ、あの帽子、よっこに似合うかも)
 ショーウィンドウの前に立ち止まり、麻々は首を振った。再び歩き出すと、夢衣がよく利用しているタイ料理の店が見えた。
(あの店、辛かったなぁ。それなのに夢衣ったら平気で食べるんだもん・・・・っと)
 麻々は早足でタイ料理店の前を通り過ぎ、大通りに入った。繁華街で人波が一段と増えた。
「モモ、はぐれちゃ駄目よ、手を・・・・」
 麻々が伸ばした手は、通行人の誰かに当たった。
「あ、ごめんなさい・・・・」
 人の流れに乗って歩くことに疲れた麻々は、横道に逸れた。
(あの通りって、こんなに歩き辛かったっけ・・・・)
「あら、麻々ちゃん」
 そこに偶然、まくらが通り掛った。隣には華子もいる。
「まくにゃん・・・・どうしてここに?」
「アO天の収録だったの。はなっぺも一緒」
「麻々ちゃ~ん、御飯まだ? 一緒に行こうよ」
「う、うん・・・・」

「はぁ・・・・」
 未成年の華子が一緒なので、三人は平凡なファミレスに入った。麻々は注文を終えた後、深い溜め息を吐いた。それを見てまくらが話し掛けた。
「偉いよね、麻々ちゃん」
「・・・・?」
「私、リーダーの素質とかないから。あの三人をまとめてる麻々ちゃんて凄いと思うよ」
「まとまってなんかいませんよ」
「私は自分のことで精一杯だから。先輩なのにね」
「あいつらってば、私のことをリーダーだなんて思ってないんですよ。三人グルになって私に意地悪したり、やりたいだけやって責任を押し付けたり。ラジオ番組だって自分達でまとめる気なんて全然無いんだから、やってられない」
「私はねぇ」
 まくらは一生懸命に携帯電話でメールを打っている華子から、視線を窓の外に向けた。
「麻々ちゃんが羨ましいよ」
「じゃあ代わってみますか」
「無理だよ、私には」
 まくらはそう言って微笑んだ。
「よっこ、むいむい、モモちゃんがあなたに意地悪するのは、麻々ちゃんが信頼されてる証拠だよ」
「信頼?」
「意地悪しても許してくれるって、甘えてるのかも。信頼してなかったら出来ないよ。頼られてるんじゃないかな」
「そんなこと・・・・」
「みんな、麻々ちゃんのことが好きなんだよ」
「・・・・」
「あたしも好き~!」
 華子が携帯電話から顔を上げて叫んだ。
「あの子達の面倒を見れるのって、麻々ちゃんしかいないと思うけどな」
「・・・・いい迷惑ですよ。あいつら、子供だから」
 そう言った麻々の顔には、笑みが浮かんでいた。
 麻々がお手洗いに行く為に席を立った後、まくらと華子が顔を見合わせた。
「はなっぺ、どうだった? 先輩らしかったかな?」
「まぁ合格だと思います」
「たまには先輩らしい所を見せておかないとね。麻々ちゃんみたいに嘗められると困るし。何より・・・・」
 まくらは声をひそめた。
「麻々ちゃんに辞められて、私にあの三人のお守り役が回って来たら困るもの」
「おまたせ」
 どこか吹っ切れたような表情の麻々が戻って来た。

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